2005/8/28より

 久しぶりに読書な日々。寝苦しい夜もなく、秋も近いと思える日々。蝉の鳴く声がだんだんと遠くへ行くようです。

西の善き魔女』Ⅵ巻一気に読みました。各章の「いいわけ」というサブタイトルが、このシリーズの最終巻としてしっくりきている気がします。内容は、というか世界そのものの存在する意味が、このオチか。象牙の塔はいいのだけれど、どうも全体的に説明不足な感は否めない。が、この広大な世界の設定でさえ、肝心の物語にはあまり寄与していない。いや、逆に言えば世界の存在理由なんてこんなものだったりするのではないか。つまりは物語と人物の成長に世界の細かな設計図はいらないということ。このオズの魔法使い的なあっさりとした感じが、このお話の正しい結末なのかな。しかし、全キャラクターが揃いも揃って濃いなあ。勝負には勝ち負けもなく、ただ己の信ずる道をまい進する。とにかく相手が誰であれみんな強い。そんな印象を強く受けたお話でした。